2013-01-31 Thu
トーバッティー の紹介です
ミャンマーでの出家生活をありのまま報告。
価値判断なしの気づき

私はここ数カ月に渡って、ウ・ジャティーラ大長老の瞑想指導の為の面接に同席させていただいている。
現在は毎週水曜日と金曜日の午後に、日本人を始めタイ人、中国人、マレーシア人などが面接を受けている。
日々の増減はあるが大凡20人弱の瞑想者が大長老の居住する建物の大広間に集まって座り、国別に通訳と一緒に一人ずつ長老の前に出て面接を受ける。
マハーシでの瞑想修行者は面接においては自分の瞑想修行中の気づきの内容(どのような思考、感情、身体的な感覚が現れ、その生じた感覚にどのように関わったか、そしてその感覚がどうなったか)などを報告しなければならない。
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2013-01-21 Mon
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ミャンマーでの出家生活をありのまま報告。
ダンマサリア称号授与式

1月20日、ヤンゴンのガバーエーパゴダ聖洞窟においてダンマサリア称号授与式が行われた。
ダンマサリアは仏教を説く講師になる者を検定する試験で大変名誉ある物である。
会場は人がびっしりで熱気に満ちていた、側面の壁に沿ったひな壇には称号が授与される比丘達が座っている。
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2013-01-16 Wed
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ミャンマーでの出家生活をありのまま報告。
兄弟子の来緬報告
1月14日、私の兄弟子である西澤長老がヤンゴンに到着された。
西澤長老は1996年にマハーシ瞑想センターで出家され、ヤンゴンの国際テーラワーダ仏教宣教大学を卒業後マハーシの他、ミャンマー各地の瞑想センターで修行された。
最近の5年間は日本各地で(宗)日本テーラワーダ仏教協会主催のアビダンマの講義や瞑想実践会を行ってきた知る人ぞ知る、しかし知らない人は全く知らない方である。
5年間に亘った日本での活動の途上で、突如リセット宣言をして修行の旅に出た西澤長老はその最初の地である古巣のミャンマーに舞い戻った。

「私の住む寺、マハーシトレーニングスクールにて」
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2013-01-14 Mon
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瞑想を妨げるもの

乾季も深まって身の引き締まるような寒さを毎朝感じられるようになった。
朝の『寒さ』といってもヤンゴンでは20度を下回る事はまずないが、温水シャワーなどのない一般家庭やお寺の生活では、朝の水浴びをするには多少厳しい季節である。
日中は30度を僅かに下回るほどの気温だが乾燥しているので暑苦しさは全くない、日本人にとっては瞑想するのに最適な季節である。
この先日本から中型機旅客機による直行便が運航されればミャンマーに来るのも更に簡単になるだろう。
この時期は日本の厳しい寒さを離れて是非穏やかな気候のミャンマーで瞑想してほしい。
マハーシ瞑想センターでは今年に入って外国人瞑想者の居室料金50ドル徴収を廃止した。
ミャンマー人ですら食事料金を徴収されるというのに、外国人は完全無料で瞑想出来る。
これはマハーシにとっては大変革「出血大サービス!奥様お得ですよ!!」と大声を張り上げたい気分だ(別に奥様だけがお得なのではないが・・)
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2013-01-08 Tue
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支配する者

1月4日はミャンマーの独立記念日であった。
その2日前、黒塗りの車のフロントガラスに日本語で「外務」「財務」と張り紙され、サイレンをけたたましく鳴らした警察車両に護衛されながらヤンゴンのある大通りを走り抜けて行った車列があった。
私はバスに乗っていて偶然対向して来るその車列とすれ違ったのだが、それは日本の副総理兼財務・金融大臣の麻生元首相の車列であることが推測できた。
昔は武力を背景にやって来た日本だが、今度は経済力で再びこの国に乗り込んで来たという感がある、奇しくもこの国の独立記念日に合わせてやって来たのは偶然だろうか。
日本はミャンマーの金融システムや社会インフラの構築などこの国の中枢に関わるようだが、技術移転や各種専門家の育成など本当にこの国の為になる支援がどれだけ行われるのかしっかり見て行かなければならない。
今のところ人々は外資を大歓迎しているが、強大な外資によってこの国が支配されつつあることに気づくのにそう時間はかからないだろう。
日本への期待は大きいだけに、この国の国民を再び失望させることのないよう建前だけでない本物の貢献をしてほしいものだ。
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2012-12-29 Sat
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Dipa Ma

1911年『ディパマ』は東部ベンガル(現在のバングラディッシュ)のミャンマーとの国境近くのある村で古代インド仏教徒の末裔であるバルワ族として生まれる。
彼女が生まれた頃には瞑想する人々もほとんどいなくなっているほど仏教の伝統は消えてしまっていたが、ごく少数の家族だけがその伝統を堅く守り続けていた。
その中にはディパマの家族も含まれていた。
ディパマは幼少の頃から両親よりお布施する人を差別しないという事を教わり、行ってきた。
また、別の子供達とはあまり遊ばず、他の女の子達は人形で遊んだりするのだが彼女は仏像を彫るという特別な趣味があった。
彼女は当時の民族習慣に習い、12歳で学校を辞めさせられて25歳の男性と結婚させられた。
その後、夫の仕事の関係でミャンマーのヤンゴンに渡り、新しい生活を始める。
20年以上経っても子供が出来なかったが、ディパマが35歳の時女の子を授かるが、3ヶ月で病気で亡くしてしまう。
4年後に再び女の子を出産、その後には待望の男の子を身ごもるも出産途中で亡くしてしまう。
数年して故郷の両親の死を知り、また夫を病気で亡くして7歳の娘一人と二人きりになってしまい深い悲しみの中で何をしたらいいのか、どこへ行ったらいいのか、あるいはどのように生きて行ったらいいのか分からなくなり持病である心臓病も悪化していった。
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2012-12-27 Thu
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喧嘩両成敗
ほぼ同時期に来てこれまで3ヶ月余りに亘ってマハーシ瞑想センターで瞑想していた日本人瞑想者の2人が、先日サヤドーの指示で強制的に退去させられた。
強制退去の理由は喧嘩、瞑想センター内で取っ組み合ったのか殴り合ったのか知らないが傷を作るまで派手にやったらしい。
親子くらい年が離れた2人であったが、ここまで頑張っていたのにとても残念である。
喧嘩の理由は何であれ、ここでの修行はもう許されない。
腹が立つ事もあるかもしれない、悲しい思いもするかもしれないし辛い事もあるかもしれない。
無神経に必要のない事を話しかけて来てあなたの瞑想を妨げる人がいるかもしれないし、無礼な態度を取る人がいるかもしれない。
思い通りにならない事は沢山ある。
苛ついて我慢ならない感情が溢れて来るような時もあるかもしれない。
しかし、そのような時にはその嫌な感情に巻き込まれずにそれをただ心の目でじっと見ること、それらの感情が自分に生じている事を認識する事が瞑想なのです。
自分が瞑想をしに来た事を、それをする為にわざわざ日本から数千キロ離れたこの国に来た事を思い出してほしい。
気晴らしに何か新しい行動を起こさないで、そのままその嫌な感情を抑えつけたり逃れようとしないでしっかり向かい合わなければならない。
そうすれば、それができればあなたに起こるすべての妨害は教えになる、そのおかげで順風満帆にやって来た人より遙かにあなたは成長する。
あなたの邪魔をする人があなたの教師となる、そしてその人に感謝の念すら覚えるかもしれない。
これまで生きて来た中で起きた嫌なことや辛い事などもすべて自分にとって必要な事だったことが分かる。
良い事も悪い事も全部ちょうどよかった事を知る。
取っ組み合うべき相手は自分の中にある、自分の外側にはどんな相手もいないのだ。
2012-12-20 Thu
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「聞く」という事

マハーシ瞑想センターでは外国人瞑想者に対して週に二回、ウ・ジャティーラ大長老による瞑想指導の面接が行われている。
現在は外国人瞑想者が多いので、火曜、木曜日が韓国語、英語による面接。
水曜、金曜日が日本語と中国語の面接というように分けられて行われる。
それぞれの通訳を通したこの面接は普段の修行の中で出てくる疑問や問題などを質問したり、瞑想の進捗具合を推し量る重要なもので全員の出席が義務付けられている。
長期滞在している上級者から始めたばかりの初心者まで様々な段階の瞑想者がいる中で、それぞれがその人に合ったやり方を前もって長老より課題として与えられている。
ある人は座る瞑想でお腹の「膨らみ」「縮み」の二つだけを見るように言われているかもしれないし、また他の人はお腹の「膨らみ」「縮み」「座っている」「(床に)触れている」の四つを見るように言われているかもしれない。
この面接ではそれぞれの瞑想者がどのような課題を与えられ、その結果瞑想がどうなったかを長老に報告しアドバイスを受けるものである。
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2012-12-12 Wed
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観光シーズンの到来

季節は変わり、雲一つ無い晴天が続いている。
ヤンゴンでは日中は30度を少し越えるものの湿度が無いので過ごしやすく、朝は25度前後にまで気温が下がりとても気持ちがいい。
まさに観光シーズン到来といった感じだ。
観光客と共に瞑想する人も増えてきているのか、マハーシの男性外国人用の部屋の空きが少なくなっている。
先日はタイで出家した日本人テーラワーダ比丘が、同じマハーシ系の瞑想をするチャンミ瞑想センターへ行こうとしたが外国人用居室が満室で断られたと言ってマハーシにやって来られた。
最近は外国人瞑想者が多いので比較的規模の小さい瞑想センターに直行する場合は注意が必要かもしれない。
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2012-11-26 Mon
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気づきの風

オバマ旋風も過ぎ去ってようやく落ち着きを取り戻したヤンゴンであるが、もう11月の下旬で乾季入りしているにも拘らず、時折夕立のような激しい雨に見舞われることがある。
日中の厳しい暑さが入道雲を生じさせ、この時期吹くはずの上空の季節風がまったく吹かないため雲を飛散させることができなくてどす黒い雨雲を発達させている。
人の心も気づきという強い風がなければ妄想という分厚い雲に覆われて、暗く沈んだものになる。
気づきがあれば、留まることなくすべては流れ去る。
どんな雲が現れてもそれは次々と過ぎ去るものでしかない。
深い気づきで心は澄み渡った青い空のようにどこまでもはっきりありのままを見通すことができるようになる。
しかし、どうかこの事を簡単に信じないでほしい。
間違っても「感動しました!すばらしい全部分かりました」と言わないでほしい。
これを知識にしてしまえばあなたは自分で体験しようとしなくなる。
頭の理解というのは何処まで行っても他人からの借り物の理解に過ぎないのだ。
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2012-11-21 Wed
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ミャンマーでの出家生活をありのまま報告。
欺きの構造

ミャンマーにとって明日19日はちょっとした歴史的な日になる。
アジア重視の政策によってアメリカのオバマ大統領がミャンマーを訪問するのだ。
悪しき軍事国家として見られてきたこの国も激変を遂げて民主国家として確固とした国際地位を固めつつある。
国際社会からの経済制裁が次々と解除されたことによって地下資源と労働資源が豊富で地政学的にも恵まれたこの国は世界中から熱い眼差しで注目され、各国からビジネスマンが視察と商談に殺到している。
ヤンゴンなどの大都市ではホテルとビジネスオフィスの賃貸料が暴騰し、建設ラッシュと土地バブルと呼ばれるほどの地価上昇が続いている。
この国は軍事政権による束縛から解き放たれ、国民自らの本当の自由を手に入れつつあるのだろうか?
し かしこの民主化で一番恩恵を受けているのは、今は軍服を脱いで素知らぬふりをしている元国軍の上層部とその取り巻き達がこしらえた有力な企業群である、 元々有利な地位にいた富裕層はビジネスチャンス到来で益々豊かになる一方で、この国の大多数である貧困層は相変わらず貧しいまま・・・いや、インフレで食 料価格が高騰して更に苦しさは増している。
現実には軍事政権(武力)から民主政権(資力)に支配者が入れ替わっただけで相変わらず人々は束縛され続けているのだ。

人々は自由を求めている。
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