「瞑想」 体験したお寺
日本テーラワーダ仏教協会 ゴータミ精舎(東京・幡ヶ谷)
瞑想と聞くと、過酷な修行をイメージするが、至ってシンプルで初心者が入りやすい瞑想もある。ブッダ本来の教えに近い初期仏教の修行法として最近注目されているのがヴィパッサナー瞑想だ。日本テーラワーダ仏教協会の瞑想会には毎回50人近くの参加者が訪れるそう。指導してくれるのは『怒らないこと』(サンガ新書)などで今話題の同協会のアルボムッレ・スマナサーラ長老。
6月下旬の日曜日、6時間近くに及ぶ同協会の法話&瞑想会が行われた。会場は20代から高齢者まで80人近い参加者で満席状態。その約半分が初参加だった。まず長老主導のパーリ語による読経が終わると、「皆さんから質問を受けて問題を解決していくのがお釈迦様の考え」(長老)と、長老と参加者による質疑応答が始まった。2時間弱に及ぶ法話は哲学的な人生訓に満ち溢れていた。そして後半はいよいよ瞑想本番!
まず坐禅を組み、目を閉じ、体の動きを止める。「真剣に“死体”を演じよ。痛痒などの感覚は無視せず、感じながら放っておくべし」(長老)。敏感肌で常時痛痒を感じる記者には苦行! 次に目を閉じたまま片手をゆっくり上げて下ろす。このとき「手を上げます」などと心中で実況中継することが精神集中のポイントとか。だが妄想癖の強い記者はいくら実況で脳を多忙にさせても何かの絵が浮かぶ。そんな脳内を見透かしたのか「雑念が割り込んできたら『妄想』と3回実況して妄想を退治してから感覚の実況に戻って」と長老。
「とにかく実況中継を繰り返してください。実況中継とは、『今、この瞬間の自分自身を客観的に見る』こと。脳を忙しくして妄想という頭の中のガラクタを片付けることで怒りも自然と消えていきます」
怒りや悲しみで苦悶するなら、その時間を瞑想に当てればいい。1週間続ければ、変化が出るか!?
■やってみたい人は
同仏教協会の場合、公式HPでパーリ語読経の音声ファイルや瞑想法もチェックできる。初心者向けの法話&瞑想指導会など、全国数か所でのイベントスケジュールも。参加費は喜捨(お気持ち)。日本従来の仏教の瞑想法では、例えば大日如来を表す梵字が書かれた軸の前で姿勢と呼吸を整える真言宗の「阿字観」などもある。【続きを読む】
7月9日【東京】パーリ経典解説
304 : これまでの視聴数 長さ: 133:52 Recorded on 2011/07/08